3月7日はメンチカツの日です。
メンチカツのことを関西では「ミンチカツ」と呼ぶところが多いことから、3(み)と、7(しち)で「ミンチ」という語呂合わせから、冷凍食品の製造販売を手掛ける「株式会社味のちぬや」が、この日をメンチカツの日と定めました。
この日は、ボリュームのあるメンチカツを食べて、受験に勝ってほしいという願いも込められています。
メンチカツは日本生まれの洋食メニュー
メンチカツは日本生まれの洋食のひとつ。
明治時代に東京・浅草の洋食店が「ミンスミートカツレツ」として出したのが始まりです。ミンスミートカツレツが省略されて、メンチカツになったと言われていますが、文献などがないため、あくまで俗説となっています。
また、関東から関西に料理が伝わり、昭和の初めに、神戸市湊川にあった「純神戸肉三ツ輪屋精肉店」(現在の三ツ輪屋総本店)の二代目であった水野三次氏が、東京の「メンチボール」(ミートボール)をヒントに、「メンチカツ」(あるいはミンチカツ)と命名したという説もあります。
買ってきたメンチカツで何を飲む?
名前の由来はさておき、精肉店の惣菜コーナーで作られる揚げたて熱々のメンチカツ。
サクサクの衣に包まれ、ソースをさっとかけてひと口かじれば、ふっくらした食感と、じゅわっと溢れ出る肉汁のジューシーさに、なにかお酒を一緒に合わせたくなりますね。揚げたてなら、よく冷えたビールが最高ではないでしょうか。でも、少し置いて、冷めてしっとりとした状態なら、ビールよりは赤ワインのほうが、ぴったり来る感じがします。
同じメンチカツでも、熱々のときと冷めたときでは食べたときの香りや味わいが違います。特に、メンチカツのひき肉に隠し味として使われているスパイス、ナツメグの香りがより強く感じられるようになります。ほのかに甘くスパイシーな香りは、同じようにスパイシーな香りのアルコールを呼びます。少しとろみのあるソースをかければなおさらです。
ナツメグってどんなスパイス?
メンチカツやハンバーグに入っているナツメグが、どんなスパイスかご存知ですか?ナツメグは、ニクズクという樹木の種子で、アボカドの種くらいの大きさがある、コロンと丸い形をしています。これを挽くと、スーパーなどで売っているナツメグパウダーになります。
ナツメグの甘くスパイシーな香りは、肉の臭み消しになるだけでなく、野菜の甘みを引き出し、旨みを引き立ててくれます。ひき肉を使った料理だけでなく、ホワイトソースやクッキーなどにも使います。よく、ナツメグで中毒症状が出るといいますが、メンチカツを食べるくらいでは、そうした症状は出ないので問題ありません。
合わせるワインはスパイスの香りをカギにする
さて、お酒の話しに戻りましょう。
揚げてから少し時間を置いて、冷めてしっとりしたメンチカツに合わせるのなら赤ワイン、とこれまでご説明しました。でも、赤ワインといっても色々あります。どんなものを合わせれば良いのでしょうか。
選び方は簡単。隠し味に使われたナツメグの、スパイシーな香りをカギにして、ワインを選べば良いのです。
赤ワインの中でも、とりわけスパイシーな香りが豊かだとされるのが、シラーというぶどう品種。こしょうやクローブ、リコリス、スターアニス、シナモン、ナツメグといった、さまざまなスパイスの香りがすることで知られている品種です。ワインを室温にして、少し大きめのワイングラスでゆっくりと香りを楽しみながら、ソースたっぷりのメンチカツを頬張れば、気分はちょっと上等な洋食屋さんのまかない、といった風情。
ワインはとびきり上等なものでなく、気取らないカジュアルなワインがぴったり来ます。普段着のお惣菜とワインを掛け合わせることで、とびきり贅沢な時間を過ごすことが出来ますよ。
ぜひ試してみてくださいね。