12月24日は、言わずとしれたクリスマスイブ。
イエス・キリストが生まれた日とされる12月25日の前日になりますが、ユダヤ暦では日没が日付の変わり目にあたるため、イブの日の夜がクリスマス当日ということになります。実際カトリックなどでも、前日の夜から典礼が行われるため、クリスマスが始まるイメージが強い日でもあります。
キリスト教が主な宗教とされる多くの国では、クリスマスは家族で過ごす日と考えられています。日本で言うところのお正月の感覚で、家族で集まってごちそうを食べて過ごします。日本では恋人やパートナーと過ごす日として捉えられており、年末の華やかな街並みが、いっそう賑わうことも、もうご存知のとおりでしょう。
クリスマスのごちそうというと、アメリカなどの国々では、七面鳥をローストしたものが食卓に上ります。これにはいわれがあるのです。
ヨーロッパからアメリカに移り住んだ人々が、なかなか作物が収穫できず、飢えに苦しんでいたとき、先住民であるインディアンは、七面鳥などを人々にふるまい、救ってきたと言われています。その後、秋の収穫が終わったときに、恩人でもあるインディアンに感謝をする意味で、七面鳥はその象徴とされ、お祝いの料理になったとされています。
日本でクリスマスに親しまれている、ローストチキンやフライドチキンは、感謝祭の七面鳥が転じてチキンになったもの。日本では七面鳥が簡単に手に入らなかったため、身近な鶏肉を使用したと言われています。
お祝いのごちそうにはお酒がつきものですが、クリスマスはお祝いの日らしく、シャンパンやスパークリングワインを開ける人が多いのではないでしょうか。しかしヨーロッパでは、「キリストの血」である赤ワインを飲むことが多いのです。なぜ日本で、クリスマスやお祝いの席でシャンパンやスパークリングワインが飲まれるようになったかには、いくつかの理由があります。
まず、ワインの味わいには好みが分かれます。赤ワインなら渋みが苦手な人がいたり、白ワインの酸味が苦手という人がいるでしょう。それに比較するとシャンパンやスパークリングワインはクセがないものが多く、シュワシュワとした口当たりもスッキリとしていて、比較的誰にでも受け入れられやすいということが挙げられます。
また、熟成が必要になる赤ワインにくらべ、飲み頃を迎えてから出荷されることが多いシャンパンやスパークリングワインは、パーティーなどでも使いやすいのも利点の一つです。
そして、シャンパンやスパークリングワインは、料理の味を邪魔することがないので、前菜からメインまで、さまざまな料理とともにいただくのに、難しいことを考えずに済むことが挙げられるでしょう。
キリストの生誕をお祝いするという宗教的な色合いが薄い日本のクリスマス。シャンパンやスパークリングワインは華やかな雰囲気を与えてくれます。大切な人と一緒に、キラキラと泡の上がるグラスを傾け、おいしいごちそうを囲んで過ごせば、日頃の辛いことも吹き飛ばせますよ。