【12月3日はひっつみの日】ひっつみの由来と小麦を使ったお酒を紹介

12月3日はひっつみの日です。

ひっつみは岩手県の郷土料理で、すいとんのように小麦粉を水で練ったものを、平たい団子状にしたものを入れた、醤油味の汁物です。

ひっつみのおいしさを広めることを目的に、岩手県生めん協同組合によって制定され、日付は「ひ(1)っつ(2)み(3)」の語呂合わせから来ている記念日です。

岩手県の郷土料理「ひっつみ」とは

ひっつみは、小麦粉を水で練ったものを平たい団子状にしたものを、鶏肉やごぼう、にんじんや椎茸などを入れた醤油味の汁物に入れた料理です。

岩手県北部に伝わる郷土料理ですが、青森県南部にもあり、かつて盛岡藩だった地域で作られています。

ひっつみ、という料理の名前は、小麦粉に水を入れて薄く伸ばしたものを手でつまんでちぎることを、現地の言葉で「ひっつむ」といわれることから名付けられました。

具だくさんの汁に小麦粉を水で練ったものを入れて食べるというと、山梨県のほうとうも同じような作り方をします。

実際、盛岡藩だった岩手県北部や青森県南部を統治していたのは、甲斐国出身の南部氏でもあります。

南部氏が生まれ故郷を思って、盛岡藩で同じような料理を作ったのではという説もあるのだそう。

寒い地域でもある岩手県北部では、囲炉裏を囲んで家族や仲間と暖を取りながら食べていた伝統的な料理でもあり、今でも家庭料理のひとつとして食べられています。

小麦の産地として知られる盛岡県北部

岩手県の北部は寒さが厳しく、かつてはあまりの寒さに稲が思うように育たず、育っても少量しか実らない、米がとれないことで知られる地域でした。

そのため、小麦やそば、あわやひえといった雑穀の栽培が盛んに行われており、実った雑穀を粉にし、粉を使った料理が多く食べられる「粉食文化」の地として知られています。

現在ではよく知られている、南部小麦などが生まれたのは、こうした背景があったためだといえます。

岩手県北部には、ひっつみの他にも、とってなげ、かっけ、はっと、きりばっと、まめぶ、といった粉もの料理があり、現在でも郷土料理としてイベントのときなどに振る舞われたりします。

小麦が生むまろやかさのあるバーボン

小麦を使ったお酒として知られるのが、ビールとウイスキーではないかと思います。
なかでもバーボンは、まろやかさを与えるために小麦を使用している銘柄がいくつもあることで知られています。

バーボンは、原料に使われるグレーンのうち51%はとうもろこしを使用することが決められていますが、それ以外の比率は明かされていないところが多く、小麦がもたらす口当たりのやわらかさを求め、小麦を使用しているところが多くあるのです。

なかでもよく知られているのがメーカーズマークで、バーボンづくりに欠かせなかったライ麦を冬小麦に変えることで、特有のやわらかな口当たりを生み出しています。

ホリデーシーズンをカクテルで彩る

メーカーズマークはそのスムースな口当たりから、カクテルベースにするのにも向いていて、バーボンベースのさまざまなカクテルで楽しむのにぴったりです。

ハイボールやコークハイだけではなく、オールドファッションドやゴッドファーザーのようなカクテルは、12月のホリデーシーズンにふさわしい華やかな印象。

食後にゆっくりと楽しむお酒として、1本ストックしておくと便利かもしれません。

ひっつみからバーボンまで、さまざまなものに使われている小麦ですが、お腹を満たすための糧になるだけでなく、お酒にまろやかさを与える重要な要素にもなります。

岩手県では米の代わりに育てられていたかもしれませんが、独自の文化をも生み出した存在。

そんなことに思いを馳せながらお酒を飲むのもいいかもしれません。

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