水の日は森の蒸溜所の仕込み水を想って

8月1日は水の日です。

真夏になると水をたくさん使うようになります。

特に8月は1年のうちで最も水の使用量が増える時期になります。

その最初の日である8月1日を水の日と、昭和52年に閣議了解により定められています。

渇水によって給水車が出動したりすることは少なくなりましたが、水資源や水を大切にすることはとても重要なことだといえます。

水の日にはさまざまな行事が行われています。

水の日に行われる行事

水の日は国が制定している記念日でもあり、さまざまな行事が行われます。

お台場周辺をはじめとする、全国各地の名所が、水をイメージするブルーにライトアップされたり、Web配信でシンポジウムが行われるほか、特設サイトではフォトコンテストの受賞作品が発表されるなど、水について考える機会になっています。

日本は水源地も多く、湧き水が有名なところも数多くあり、そうした名水の地を探すことのできるサイトも用意されています。

この機会においしい水を探すのも楽しいかも知れませんね。

ミネラルウォーター発祥の地 山梨県

日本でミネラルウォーターが販売されるようになったのは1929年のこと。

山梨県身延町下部の湧き水を利用し、「日本エビアン」の商品名で発売されたのが最初です。

山梨県は富士山や南アルプスをはじめ、高い山々に囲まれた山岳県で、県の78%を森林が占めています。

豊かな自然に育まれ、その森から清らかな水が生み出され、全体のシェアの4割ものミネラルウォーターを山梨県が生み出しています。

山々の伏流水が湧き出るところには、やはり良いお酒の造り手があるのも、特徴のひとつだといえます。

森の蒸溜所、サントリー白州蒸溜所

山梨県有数の水源地でもある白州は、山崎蒸溜所とはまた違ったタイプのウイスキーが生まれる場所としても知られています。

サントリーが白州に蒸溜所を開いたのは1973年のこと。

南アルプスの山々からやってくる伏流水は、程よくミネラルを含むキレの良い軟水。

この水を使って仕込んだウイスキーの原酒は、軽快で穏やかな味わいなのが特徴。

山崎蒸溜所の原酒とは違った、奥深い味わいを楽しむことが出来ます。

森を思わせる香味を生む、匠の技

出来上がった原酒は樽に入れられ、ゆっくりと熟成されます。

熟成される原酒の状態は、ブレンダーがチェックを行い、樽ごとのピークの状況を見極めながら、製品にする原酒を選んでいきます。

白州のウイスキーは、熟成を重ねてもさわやかな香りと、軽やかでやわらかい味わいがあるのが特徴。

ほのかなスモーキーさと、さわやかな味わいは、海外でも高く評価されています。

過熱気味のジャパニーズウイスキー市場

朝の連続ドラマ「マッサン」の放映で火がつき、大ブームとなったジャパニーズウイスキーは、原酒が不足して、製品を出荷できなくなるほどのものになりました。

ウイスキーは市場全体が過熱気味で、輸入ウイスキーも軒並み値上がりしたほど。

終売になったプレミアムな商品は、どの銘柄も高値で取引されています。

白州も例にもれず、ノンエイジのものでも定価の倍ほどになっており、その人気のほどがうかがえます。

さわやかな香りと、すっきりと穏やかな味わいは、ハイボールにするとさらに美味しく味わえます。機会があったら、ぜひ試していただきたいウイスキーのひとつです。

一見お酒には関係ないように思える水ですが、ウイスキーなどの蒸留酒は、原酒に加水してアルコール度数を整えることや、麦芽を糖化するプロセスに良い水は欠かせないもの。

ウイスキーを造る上で、おいしさを左右する要素のひとつだといえます。

そんなことを気にしながら、ウイスキーを味わうのも楽しいかも知れません。

森が育んだ清らかな水に思いを馳せつつ、美味しくお酒をいただきたいですね。

 

 

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