カシスの日にはフランスの定番アペリティフを食前に

7月23日はカシスの日です。

7月23日は大暑になることが多く、また、カシスの収穫期にもあたることから、2006年に日本カシス協会が制定しました。

カシスはビタミンCやアントシアニンを多量に含み、さまざまな健康効果があることを、多くの人に知ってもらおうという意味も含まれています。

カシスってどんな果物?

カシスとは、北ヨーロッパやカナダ、ニュージーランドなどで栽培されているベリーの一種で、フランス語でカシス、英語ではブラックカラントという呼び名で親しまれています。

しっかりとした酸味があり、お菓子やジャム、シリアルやスムージー、ジュースなどに使われることの多いベリーです。

健康維持には欠かすことの出来ないビタミンCや、目に良いといわれているアントシアニンを豊富に含み、高い抗酸化作用をもつといわれています。

近年ではその効能から、サプリメントなどにも積極的に利用されています。

日本では1965年に弘前大学の教授によって、ドイツから移植されたのが栽培の始まりです。

1975年に株分けされ、青森県で本格的に栽培が始まっています。

お酒でカシスといえば

お酒でカシスといえばやはり「クレーム・ド・カシス」ではないでしょうか。

カシスを使用して造られたリキュールで、濃厚な紫色をした、甘酸っぱい味わいのお酒です。

カクテルベースとして使われることが多く、カシスオレンジやカシスソーダをはじめ、さまざまなカクテルのベースとして親しまれています。

クレーム・ド・カシスを製造しているメーカーはいくつかありますが、その中で最も有名なのがルジェのものです。

ルジェ社はキールとキールロワイヤルの商標を持っていることでも知られているリキュールのメーカー。

クレーム・ド・カシスを筆頭に、さまざまなフルーツのリキュールを製造しています。

1950年代、当時ディジョンの市長を務めていたキール氏が、招いた客に食前酒を振る舞う時にはお気に入りがあり、必ず「ルジェ・カシスの白ワイン割り」と頼んだといいます。

やがてその食前酒は名前をとって「キール」と呼ばれるようになったという逸話が残っています。

ルジェ・カシスの製法

クレーム・ド・カシスは、オー・ド・ヴィなどのスピリッツに、カシスを漬け込み、そのエキスをフルーツを蒸留して造ったスピリッツ「オー・ド・ヴィ」に移して造ります。

ルジェ社ならではのこだわりももちろんあり、フランス産のカシスのみ、しかも決まった品種のみを使用していることや、カシスを漬け込む期間は通常5週間のところを8週間以上とすること、隠し味としてカシスのつぼみから抽出したエキスを使用することが挙げられます。

カシスのつぼみは香水にも使われるほど香り高いものなのだそう。漬け込んでいる間も、カシスの芳しい香りがしそうです。

食前酒の大定番「キール」と「キールロワイヤル」

フランスでは外食をすると、食事の前に軽いアペリティフを頂くことが多く、その最も代表的なものとして、「キール」と「キールロワイヤル」が挙げられます。

クレーム・ド・カシスを白ワインで割ったものがキール、シャンパーニュで割ったものをキールロワイヤルと呼びます。

日本でもビストロで食事をする時に、さり気なく頼む人の多いカクテルです。

白ワインでクレーム・ド・カシスを割ると、カシスの甘酸っぱさだけでなく、リキュールの奥行きのある美味しさを感じることが出来ます。

夏の暑い日に、ビストロの小さなテーブルに席を取り、よく冷えたキールやキールロワイヤルを傾けながら、メインの料理をどれにするか、メニューを見ながら悩むのも楽しいものです。

楽しい夜の始まりの封を切るのに、華やかなイメージのある食前酒はふさわしいものだといえます。

カシスオレンジやカシスウーロンなどを食事中に居酒屋で楽しむだけでなく、食前酒や食後酒として、クレーム・ド・カシスは、もっといろいろな形で親しんでみたいですね。

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