第二話 焼酎文化の根付く街 〜薩摩焼酎を求めて、週末に鹿児島へ飛ぶ〜

今や芋焼酎マニアと化した同い年の友人T君が訪れるのは、鹿児島県鹿児島市だ。すでに行きつけ店が幾つもあるというから、確立された酒呑みスタイルには敬服する。彼がふれた鹿児島の焼酎文化は、やはり魅力にあふれていた。
黒瀬の集落より飛び立った杜氏たち、機械を使わず手造りの技を極めた者のみが成せる風味。薩摩の人々は焼酎をお湯割りで飲む。そのこだわりは、なんというか肌に染みついた生活そのもので、友人T君がはるばる通い続けるわけも、こういった現地人の気質に惚れているからでもあるだろう。

たとえば、彼はこんな話を披露してくれた。
鹿児島市で呑み屋を経営する女将が東京に遊びにきてくれたときのことだ。時期は8月、真夏のコンクリートジャングルに誰もがうんざりしている熱帯夜だった。やっぱり入る店は焼酎瓶が並ぶ料理屋だ。その女将は当然のように「お湯割り」を注文したそうだ。そして一言、

「ああ、やっぱり落ち着くわ」

ただ、最近は鹿児島県内の大学に入った他県からきた学生も多く、鹿児島市内の繁華街にある飲食店では、ロックや水割りを嗜む風景も多く見られる。私の友人T君も、はるばる九州まで訪れて満喫する薩摩焼酎はロックで飲む。郷に入ったら郷に従えと言えども、こだわりは絶えずイノベーションしていくのだ。

次回は、ロックで呑む薩摩焼酎ベスト5を紹介したいと思います。

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