長く愉しむ技術と「旬」を愉しむ和心…秋のひやおろし

長く愉しむ技術と「旬」を愉しむ和心…秋のひやおろし

お風呂あがりの一杯に至福を感じる、酔いどれ女子です。日本酒検定を目指し、今日も真面目に呑んでいます。

日本酒は二度、湯につかる…「火入れ」

さて、「ドラえもん」のしずかちゃんは一日に3回お風呂に入るそうだけど、日本酒も製造過程の中で、2回も湯につかるとのこと。
これは「火入れ」と呼ばれている作業で、目的は殺菌、それから風味を安定させるため。

1回目の火入れ

2回目の火入れ

「火入れ」で異なる日本酒の種類…秋の風物詩「ひやおろし」

昔は、薪をくべ、お湯を沸かすことからこの作業が始まったので、「火入れ」と呼ばれているらしいのだが、昔の人は大切なお酒をどうやって長期保存させるか、ずいぶん苦心しただろうと思う。

現代でも、常温で保存する一般的な清酒は、通常2回火入れをするのだが、モノによっては、火入れをしないお酒もあるそうで。

たとえば…

◆生酒(なまざけ)=一切火入れをしない⇒「本生(ほんなま)」とも呼ばれる。

◆生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ)=火入れせず貯蔵。出荷前にだけ火入れ。

◆生詰め酒(なまづめしゅ)=貯蔵前に1回目だけ火入れ。「秋のひやおろし」はコレに当たる。

これからの季節、「生詰め酒」を要チェック。というのも、秋に出荷される「生詰め酒」は、季節限定品「ひやおろし」として珍重されているのだ♪

ひやおろしの製造過程

冬にしぼられ春にできたお酒を、貯蔵前に1回だけ加熱して、涼しい酒蔵でひと夏熟成。気温が下がってくる秋口に、2回目の火入れをせずに出荷する生詰め酒。「冷や」のまま「卸す」ので、「ひやおろし」と呼ばれ、ほどよく熟成されたまろやかな味わいが秋の味覚として喜ばれている。

この秋も、各銘柄がこぞって、ひやおろしを発売する模様。

お酒の長期保存が大きな課題だった時代、火入れの技術を発達させる一方で、季節の移ろいとともに「旬」の味も大切に愉しんできた和心を想いながら、「ひやおろし」で乾杯しましょ♪今も昔も変わらず酒呑みたちを照らし続ける、秋の月明かりの下で。

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