12月7日はクリスマスツリーの日です。
1886年のこの日、横浜にある明治屋に日本で初めてのクリスマスツリーが飾られました。
このクリスマスツリーは、港町である横浜の外国人船員のために飾られたといわれています。
明治屋は横浜から東京・銀座に店を移転してからも、毎年クリスマスツリーを飾っており、そこから庶民にクリスマスツリーが広がったといわれています。
クリスマスツリーの由来
クリスマスツリーはもともと、キリスト教にまつわるものではなく、原型になったのは古代ゲルマン民族の冬至のお祭り「ユール」に由来する樫の木でした。
樫の木は生命の象徴として信仰の対象になっており、それをキリスト教に改宗させるために樫の木を切ったところ、もみの木がそこから生えてきました。
もみの木は横から見ると三角錐で「三位一体」を表すことから、宣教師は奇跡だとしてもみの木をクリスマスツリーとしました。
クリスマスツリーに使われるもみの木は常緑樹で、古代から永遠の象徴として扱われてきました。
キリスト教ではもみの木に神様の永遠の愛や命の意味を込め、頂上にはベツレヘムの星を意味する星を飾ります。
クリスマスツリーが今のように華やかに飾りつけられるようになったのは、ルネサンス期である15世紀頃からで、ドイツのフライブルグにあった救貧院のものが最初だったのではないかといわれています。
もみの木に街のパン職人がフルーツやナッツを使った焼き菓子を飾り付けたのがその始まりです。
クリスマスツリーはいつ飾ればいい?
キリスト教では、12月25日の4週間前の日曜日からクリスマスイブまでを「アドベント」とし、その始まりの日にツリーの飾りつけを行います。
ツリーはクリスマスを終えてから、1月6日の十二夜まで飾られます。
十二夜は、東方の三博士がキリストの生誕を祝福した日で、キリスト教の大切な日として知られています。
赤・白・緑のクリスマスカラーで彩られたツリーにはやはりきちんと意味があり、赤はキリストが流した血、白は純潔、緑は命や生命力を表わすそう。
オーナメントも、天使はマリアに受胎告知をしたガブリエル、オーナメントボールはアダムとイブが食べたリンゴ、キャンディケインは羊飼いの杖など、それぞれに意味を持っています。
そんなことをひとつずつ考えながら、クリスマスツリーを飾り付けるのもいいかもしれませんね。
クリスマスツリーを眺めながら飲むお酒
クリスマスツリーの日に、飾り付けたツリーを眺めながら飲むのなら、どんなお酒がいいでしょうか。
シャンパーニュはクリスマス当日に取っておきたいですし、日本酒というのでもなさそうです。
アドベントの期間に熟成していくのを感じながら食べる、薄く切ったシュトーレンと一緒にいただくのなら、とっておきのお酒があるのをご紹介します。
もみの木の新芽の生命力を感じるリキュール
ヨーロッパにはさまざまなリキュールがあるのですが、原料は果物やハーブだけに限りません。
フランスのアルザス地方では、もみの木の新芽を使って作るリキュールがあります。
リキュール・ド・サパンは、もみの木の新芽の蕾の部分を摘み取って作る、淡いグリーンが美しいリキュール。
もみの木の清々しい香りが感じられ、森の中に佇んでいるかのような心地にさせてくれます。
ハーブ系のリキュールとしてよく知られている、シャルトリューズ・ヴェールを思い出すと、割と近いイメージかも知れません。
甘いリキュールなので、ストレートでゆっくりと香りを楽しむのもよし、ソーダで割ってもいいかも知れません。
12月の慌ただしい毎日の中で過ごすゆったりとした時間を、季節の香りで彩るもみの木のリキュールは、クリスマスを待つ時間にもぴったりです。
ぜひ味わってみて欲しい逸品です。