ショートケーキの日を盛り上げる、意外なマリアージュ

毎月22日はショートケーキの日だということ、ご存知でしたか?

ショートケーキの日のいわれは、カレンダーを見るとよくわかります。22日の真上の日はカレンダーで何日でしょうか。そう、15日です。15日は語呂合わせで「いちご」。いちごが上に乗っている日だから、ショートケーキの日となりました。

これは宮城県仙台市の洋菓子店、カウベルが2007年に制定した記念日です。

日本の定番、ショートケーキ

日本の洋菓子で、定番と言われているものは4つあります。

モンブラン、チーズケーキ、シュークリーム、そしてショートケーキです。ケーキ屋さんのショーウインドウを常に彩る花形ケーキでもあり、ちょっと特別な日や、誕生日やクリスマスのホールケーキとしても親しまれ、誰からも好まれるケーキとして知られています。

でも、このショートケーキという洋菓子、日本で独自の発展を遂げたケーキだということをご存知でしょうか。

海外のショートケーキは違うスタイル

ショートケーキ発祥の地とされるイギリスや、洋菓子の本場であるフランスのショートケーキは、日本のものとはちょっと違います。

イギリスのショートケーキは、1588年に発行された「English’s Cookbook」に、その原型が残されています。スポンジケーキだけではなく、ビスケット生地も使い、使う果物もいちごだけに限らず、りんごや柑橘類、ブルーベリーなど、とても多彩です。元は、イギリスのショートブレッドにいちごとクリームを挟んだという説もあります。

また、フランスも違ったスタイルのショートケーキが生まれています。

フランスの場合は、いちごケーキ全般を指し、ムースやチーズケーキもその中には含まれますが、主にはスポンジケーキの間にいちごをはさみ、ピンク色に染めたマジパンで表面を覆うのが一般的なものだといわれています。

独自の進化を遂げた日本のショートケーキ

ヨーロッパのショートケーキを考えると、日本のショートケーキは海外とは別な、独自の進化を遂げていることがわかります。

日本で最初に紹介されたのは大正時代と言われていますが、ふわふわしっとりしたスポンジケーキをベースに、生クリームをたっぷり使っていちごを飾ったケーキは、おまんじゅうや餅菓子などの、やわらかい食感を好む日本人の嗜好から生まれたものとも言われています。

ショートケーキ、なにと合わせる?

ショートケーキに合わせるお酒といえば、まず最初に挙げられるのはなんといってもシャンパーニュではないでしょうか。

シャンパーニュの、心地よいキメの細かい泡と軽やかな酸味が、たっぷりの生クリームを洗い流し、スポンジに染み込んだリキュールの香りや、いちごの甘酸っぱい味わいを引き立ててくれます。ふんわりとしたスポンジケーキの香りと食感を楽しむのには、うってつけの相手でもあります。

特別な日に、特別なシャンパーニュと合わせれば、とてもリッチな気分になれます。

ルイ ロデレール クリスタル 2006 ギフトボックス ルイロデレール ルイ・ロデレール シャンパン シャンパーニュ ギフト

ベルギービールとの意外な出合い

でも、ここでおすすめしたいのは、ベルギーのビール、ヒューガルデンホワイトです。

小麦を使ったホワイトビールですが、他の国のビールと違うのは、オレンジピールやコリアンダーシードなどのスパイスを使っていること。すっきりとした味わいと、オレンジやアプリコットなどの香りがあるさわやかなビールです。

ショートケーキとともにいただくと、生クリームのミルクの香りや、スポンジケーキに挟まれたいちごの甘酸っぱい香りがふわっと鼻腔に香り、最後にビールのほんのりとした苦味が残ります。

飲むときは、澱まで全部

ヒューガルデンホワイトは、無濾過で瓶詰めされているので、ハーブやスパイスは酵母とともに瓶の底に沈んでいます。

ですので、瓶からグラスに注ぐときは、まず半分グラスにゆっくりと注ぎ、残りのビールは軽く瓶を振るようにして底に溜まった沈殿物を巻き上げてから注ぎます。するとさらに官能的な香りが立ち上ります。

家族の誕生日やクリスマスに、なんとなく持て余し気味になるショートケーキもヒューガルデンといただけばあっという間になくなるかも。

ぜひ試してほしいペアリングです。

今宵の酒カテゴリの最新記事