スコッチエール:スコットランド生まれの輸出向け濃色ビール

  • 2016.08.23
スコッチエール:スコットランド生まれの輸出向け濃色ビール

スコッチエール(Scotch Ale)はスコットランドで生み出された、高アルコールの濃色エールビールです。「スコッチ」は、スコッチウイスキーなどと同じ「スコットランドの」という意味です。

スコッチエール

スコッチエールは19世紀のエディンバラにおいて、海外市場向けビールとして開発されました。特にベルギー市場を意識して、コクが強い高アルコールのエールが好まれるベルギーの伝統に合わせた味となっています。修道院で醸造されている、デュッベルやその他のスペシャリティエールによく似ています。

イングランドにはオールドエールやバーレイワインといった、濃色の高アルコールのエールビールがあり、スコッチエールはそれらのスコットランド版であると言われることもあります。

スコッチエールの特徴

スコッチエールの特徴

スコッチエールの最大の特徴は、麦芽の味を前面に出して、ホップの苦みや香りはほとんど無くしている点です。スコッチエールで麦汁を作ってでんぷんを糖に変える際には、麦汁を大きなやかんのような容器に入れ、長時間煮立たせます。
この時の工程で麦汁が濃縮されてコクが強くなり、醸造の際のアルコール度数が高くなります。さらに、熱が長時間加えられることで、糖がカラメル化して液色が濃い銅色~茶色へと変化するとともに、香ばしさが生まれてきます。

実はホップの苦みは並み程度にあるのですが、麦芽の甘みが非常に強く出ているので、ほとんど、あるいはまったく感じられないレベルにまで抑えられています。

キレやのど越しの良さではなく、濃厚さを楽しむビールであり、夏よりも冬に飲むのが適しています。

項目詳細
原産地エディンバラ(スコットランド)
発酵の種類上面発酵(エール)
濃い銅色~茶色
アルコール度数6.2~8%
麦、ホップ以外の原料無し
最適温度13度
有名な銘柄(海外)ブラックアイル スコッチエール(イギリス)
トラクエア ジャコバイトエール(イギリス)
ゴードン ファイネストスコッチ(ベルギー)
ラ・ブリューン(フランス)
など
有名な銘柄(日本)やばいやばい ストロング・スコッチエール(ベアードビール)
伊勢角屋麦酒 スコッチエール(二軒茶屋餅角屋本店)
弐周年醸造記念~Wee Heavy~(ロコビア)
メリケンスコッチエール(Yマーケットブルーイング)
など

スコッチエールの味

アメリカのスコッチエール「ウィー・ヘビー」

アメリカのスコッチエール「ウィー・ヘビー」

スコッチエールはアメリカにも多く輸出されていたので、現在ではアメリカの醸造所でもスコッチエールを作っている所がたくさんあります。
アメリカでのスコッチエールは、「ウィー・ヘビー(Wee Heavy)」の名前で呼ばれることがあります。全体的に度数が高めで、少なくとも7%、高ければ10%以上という傾向があります。アメリカ産のビールはホップの味が強調されている物が多く、ウィー・ヘビーも通常のスコッチエールよりは苦みやホップの香りがやや強く、バランスが取れた味わいになっています。

ピート(泥炭)でスモークした「ピーテッド・スコッチエール」

ピート(泥炭)でスモークした「ピーテッド・スコッチエール」

スコッチウイスキーでは、ピート(泥炭)を燃やして麦芽を焙燥させ、独特な風味を付けることが知られています。ビールでは麦芽を焙燥させるときに煙が当たらないようになっていますが、一部のスコッチエールではウイスキーと同様の方法を用いて、ピートの煙で燻した麦芽を使っています。

普通の方法で作られた「トラディショナル・スコッチエール」に対し、ピートで燻した麦芽で作ったスコッチエールは、「ピーテッド・スコッチエール(Peated Scotch Ale)」と呼ばれています。麦芽を燻して作った「スモークビール」の一種です。
ピーテッドと表記していなくても、隠し味としてピートの香りを付けている物もたくさんあります。

次回は、名前は似ているけれど実は全く別物の「スコティッシュエール」を紹介します。

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