漫画「リメイク」に学ぶ。気分転換におすすめのカクテル、モスコミュールの語源&飲み比べ

漫画「リメイク」に学ぶ。気分転換におすすめのカクテル、モスコミュールの語源&飲み比べ

リメイク

今回はマッグガーデンのWEBコミック「EDEN」から「リメイク」(六多いくみ)を紹介します。

派遣の事務職OLだった主人公の奥村かのこさん。百貨店の化粧品コーナーで、印象的な接客をされたことがきっかけとなり、BA(ビューティードバイザー:化粧品の美容部員のこと)に転職します。と言っても、契約更新の時に勢いで断ってしまった結果の綱渡りだったのですが。

転職の試験に際して、やや紆余曲折があったものの、入社に成功、新しい職場にも徐々になじんできました。

リメイク1

新人時代も過ぎ、仕事に意欲が出てきた頃、先輩社員と衝突。さらにコミックス3巻では、お客様の靴に化粧品を落とすミスをしちゃいます。化粧品の成分にもよりますが、皮製品ですとダメージになることもあるんですよね。財布やカバンなども要注意です。

幸い大きなトラブルには至りませんでしたが、自分に腹が立つわ落ち込むわのかのこさん。「一杯飲むか!」でもなかったのでしょうけど、ちょっと関わりのあるバーに入ってみました。

リメイク2

緊張するのも無理ないかも。皆さんなら何を注文するでしょうか。かのこさんは……

リメイク3

一口飲んで「美味しい……」と、ピッタリのチョイスだったようです。

「モスコミュール」は、ウォッカにジンシャーエール、ライムを合わせたもので、居酒屋などでも提供しているところが多いメジャーなカクテルの1つです。かのこさんが頼んだのも、どこかで見知ったことがあったからでしょう。

正確には「モスコー ミュール(Moscow Mule)」。サンダルやスリッパを意味する「mule」と同じつづりですが、こちらの「mule」は「ラバ(馬とロバを掛け合わせた動物)」の意味で、ベースとして使うロシアの代表的なお酒であるウォッカが、ラバに蹴飛ばされるように効いてくるからだとか。レシピの分量にもよりますが、カクテルの中でも、強めの部類に入れても良さそうです。

リメイク4

かのこさんも、それほど飲んだ様子ではないのですが、早くも頬が赤らんでいます。ラバに蹴飛ばされかけているんでしょうか。この後、気分の浮き沈みがあったり、さらにはストーカー被害に合ったりといろいろあるのですが、これも「モスクワのラバ」がきっかけだったのかもしれません。そうした詳しい展開は漫画をどうぞ。WEBコミックなので、一部はネットでも読むことができます。

そんなモスコミュールですが、「ジンジャーエールはともかく、ウォッカとライムか、作るの面倒だな」と思う人がいるかもしれません。そうした人には、アサヒから「カクテルパートナー モスコミュール」が、サントリーから「アップルモスコミュール」が発売中。後者は、リンゴを加えたサントリーのオリジナルカクテルで、期間限定の商品です。

せっかくの機会ですので、飲み比べてみました。この2つに加えて、ウォッカベースにライムを使っているもの4つ。合わせて6種類です。

リメイク5

【アサヒカクテルパートナー モスコーミュール】

アルコール分5%、果汁1.1%、47kcal
原材料:ウォッカ、ライム果汁、糖類、酸味料、香料、カラメル色素、甘味料(アセスルファムK、スクラロース)、炭酸ガス含有

名前からすると一番スタンダードに思えるのですが、気になるのは原材料にジンジャーエール(ジンジャービア)がないこと。
味わいはライムを強めに感じました。ジンジャー(しょうが)の味わいは、あるようなないような……と言ったところ。缶の色がジンジャエールの色ですし、缶の表面に「ジンジャエール、ライム&ウォッカ」とジンジャエールを強調した格好なので、余計に空振り気味。香料などでジンジャエールの味わいを出しているのでしょうか。もうちょっと強くても良かったと思います。

【サントリーカクテルカロリ アップルモスコミュール】

アルコール分3%、果汁1%、34kcal
原材料:アップル、ライム、ジンジャー、ウォッカ、糖類、酸味料、香料、カラメル色素、甘味料(アセスルファムK、スクラロース)、炭酸ガス含有

アルコール分3%は、6種類の中で最も低い数字です。それもあってか「お酒!」とは、ほとんど感じられませんでした。むしろ「ジンジャエールか、リンゴジュースか」ってところです。
ですので「アルコールが欲しい」人には、いくらか物足りないでしょうけど、「お酒は苦手」な人には、良いかと思います。カクテルであまり使われることのないリンゴが好きな人にもお勧めです。

【サントリー無糖クリア レモン&ライム】

アルコール分5%、果汁?、33kcal
原材料:ウォッカ、レモン浸漬酒、ライム浸漬酒、酸味料、甘味料(アセスルファムK)、炭酸ガス含有

特徴的なのは、原材料の「浸漬酒」で、果実をまるごと凍結してから粉砕し、お酒に漬け込んでいること。
ちょっと横になりますが、基本的に原材料は量の多いものから表示することになっているので、こちらはウォッカの方が、「サントリーカクテルカロリ アップルモスコミュール」などは果汁の方が多めです。もっとも、バランスがあるので、どちらが多ければ良いと言うものではありません。
ですので、同じサントリーで似た原材料ながらも「アップルモスコミュール」と「無糖クリア レモン&ライム」の住み分けが伺えます。
ただ味わいの点では、「無糖クリア レモン&ライム」は、無難な印象で、際立ったものが感じられませんでした。「レモンやライムを漬け込んだ原材料に違いはあったのかな?」ってところです。

【キリン氷結STORONG ドライライム】

アルコール分9%、果汁2.5%、55kcal
原材料:ライム果汁、ウォッカ、酸味料、甘味料(アセスルファムK)、炭酸ガス含有

アルコール分9%と果汁2.5%は、どちらも6種類の中で最も高い数字です。
それだけに飲むとさすがに「お酒だなー」と思いますが、それほどアルコール分が強くは感じられませんでした。この辺りはライムとのバランスが良いからかもしれません。
缶に「しっかりした飲みごたえ」とあるように、6種類の中では、確かな飲みごたえがあったと思います。「アルコールが欲しい!」という人には、こちらがお勧めです。

【キリンビターズ ほろにがレモンライムチューハイ】

アルコール分8%、果汁1.6%(レモン1%、ライム0.6%)、49kcal
原材料:ウォッカ、リキュール(ハーブ、レモンピール)、レモン果汁、ライム果汁、酸味料、香料、甘味料(アセスルファムK)、炭酸ガス含有

原材料の「ピール」は皮のこと。ハーブとレモンの皮を漬け込んだリキュールが原材料の2番手に登場します。次いでレモン果汁、ライム果汁なので、ライムの出番は少ないようですが、果汁の比率ではレモン:5にライム:3となっています。
飲んだ印象では名前の「ほろにが」とあるほど、ほろ苦い味わいを強くは感じませんでした。どちらかと言えばレモンやライムの酸味が前に出てきています。
アルコール分8%は「キリン氷結STORONG ドライライム」に次ぐ高さですが、それほどまでに感じられず、飲みやすいと思います。こちらも果汁とのバランスが取れているからかもしれません。

【キリンビターズクワトロ グリーンアップル&ライムピールチューハイ】

アルコール分4%、果汁1.4%、27kcal
原材料:ウォッカ、リキュール(ハーブ、レモンピール)、りんご果汁、デーツエキス、ライムピールエキス、酸味料、香料、甘味料(アセスルファムK)、炭酸ガス含有

原材料の「デーツ」はナツメヤシのことで、果物としてそのままや乾燥させて食べる他、お酒の原材料としても使われているそうです。
「クワトロ」はスペイン語などで「4」を意味する言葉。「キリンビターズ」の弟妹と言ったところでしょう。ただし飲んでみた感じでは、キリンビターズの8%とキリンビターズクワトロの4%で大きく違いがあるようには思えず、アルコール分はしっかり感じられました。
反対に「サントリーカクテルカロリ アップルモスコミュール」の3%とは1%の差ですが、「アップルモスコミュール」が「ジュースだな」と思ったのと対照的に、こちらは「アルコールだな」と思いました。個人的には一番気に入ったお酒です。

皆さんの参考になれば幸いです。

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リメイク

作者:六多いくみ
連載:WEBコミックEDEN
発行:マッグガーデン
既刊4巻

■参考
リメイクが読めるマッグガーデンWEBコミック「EDEN」:http://comic.mag-garden.co.jp/eden/2939.html
アサヒカクテルパートナー:http://www.asahibeer.co.jp/cocktailpartner/cp/index.html
サントリーカクテルカロリ:http://www.suntory.co.jp/rtd/calori/

 

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