家族そろってビールで乾杯「喰う寝るふたり 住むふたり」

家族そろってビールで乾杯「喰う寝るふたり 住むふたり」

喰う寝るふたり 住むふたり

今回紹介する漫画は、徳間書店「月刊コミックゼノン」で連載されていた「喰う寝るふたり 住むふたり」(日暮キノコ)です。

高校時代から付き合って10年目、同棲して8年目となるアラサーカップルを描いた作品で、男女の主人公から別々の視点で描かれているのが、漫画の大きな特徴です。

ですから、女性の町田りつ子(リツコ編)さん、男性の野々山修一(のんちゃん編)君が交互に主人公となるので、同じ場面でも双方の心境が丸分かりです。

例えばりつ子さんが合コンに誘われた場面では……。

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野々山君の「同棲8年の余裕を…!!」が、りつ子さんには「…何の余裕?」になっちゃいました。野々山君は「行くな」と言うべきでしょうし、りつ子さんも誘われた時点で断るべきでしょうね。もっともそうなっては、漫画として面白くないんですが。

漫画では、弟の結婚が決まった連絡を受けたりつ子さんが、実家に戻るシーンがあります。家族は、あっけらかんと話していますが、25歳の弟に先を越された28歳の姉って、複雑な心境に違いありません。家族の言葉が、ヒシヒシと突き刺さっているようです。

喰う寝る3

5人が飲んでいるのはビンビールですが、この光景は年々珍しくなっているのを、ご存知でしょうか。環境省の発表によると、1990年代に全国で600万トン流通していたリターナブルビン(ビールビン、一升瓶、牛乳瓶など)は、近年は300万トンを割り込むまでに至っています。

ガラスビンは、液体の品質を保ったまま保存するのに、とても適した素材です。その一方で、割れやすかったり、重かったりするのも事実。輸送に隙間が必要なビンよりも、キッチリと詰められる缶の方がコストが安くなることや、昔ながらの配達を担う地域の酒屋さんが減っているのも、ビンの需要が減少している原因です。

そこで技術が進歩するにしたがって、牛乳、ジュース、日本酒などは紙パックやペットボトルに、炭酸飲料やビールはアルミ缶にシフトしています。キリンのホームページでも、ビンより缶の方が、幅を利かせているようで……。

漫画に戻って、乾杯する5人をよーく見てください。お母さんとお姉さんと弟の3人が笑顔なのに対して、りつ子さんとお父さんが、何やら微妙な顔をしています。実はこの2人、少々難しい関係なんです。りつ子さんが家を出たのも、お父さんの存在が煙たかったからのようで……。

この後、お母さんに「お互い注いであげたら?」と言われるものの、素直になれない父娘です。それでも結局、お父さんのちょっとした一言がきっかけで、仲直りをするのですが。

ビンビールでお酌をしたりされたりは、独特のコミュニケーションでもあります。そのやりとりが面倒くさいなんて人も増えているようですが、だからこそあえてビンビールで乾杯してみてはいかがでしょうか。

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喰う寝るふたり 住むふたり

作者:日暮キノコ
発行:ノース・スターズ・ピクチャーズ
発売:徳間書店
定価:本体562円+税
既刊4巻(3月20日5巻完結発売予定)

参考:キリンビール「一番搾り」ページ

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