味はフグそっくり!怪魚「マルハゲ」は煮付けで冷酒が進む

味はフグそっくり!怪魚「マルハゲ」は煮付けで冷酒が進む

大分県の鮮魚売り場には必ず並んでいる、「マルハゲ」という魚。他県ではあまり聞きなれない個性的な名前ですが、それ以上に売られている時の見た目が衝撃!!今回は、瀬戸内海周辺以外の地域では店頭に並ぶことはほとんどない「マルハゲ」を、甘口の九州の日本酒によく合うサッパリした煮付けにしてみました。

マルハゲ01

こちらがそのマルハゲ。皮を剥がれ、肉や目玉がむき出しになっている姿はまるで理科室の標本か、ホラー映画のゾンビのようです。前世で何をしたらこんな姿に…と、思わず目をそむけてしまいます。

マルハゲ02

目のあたりが特に怖い。薄いピンク色の肉も、何となく人間の肌を連想させてまた怖い…

実はこのマルハゲは、全国的には「カワハギ」と呼ばれている種類の魚で、大分のスーパーでは、皮を剥いで肝と卵巣以外の内蔵を取り、下処理を済ませた状態で販売されるのが一般的。関東では高級魚なのでその辺のスーパーに並ぶことは滅多にありませんが、大分ではアジやイワシなどと同じような大衆魚で、マルハゲのほかにもウマハゲ(ウマヅラハギ)もよく店頭に並びます。

肉質はフグそっくり!肝まで食べられるマルハゲ

刺し身にしたり鍋料理にしたりと、様々な調理法で通年食べられているマルハゲ。旬は冬場で、地元の人は刺し身は冬場にしか食べないそう。その他のシーズンは煮付けやフライにします。ハゲはフグの仲間なので、肉質はフグに非常によく似ており、しかもフグと違って毒がないので、肝まで美味しく頂けるのがポイント。マルハゲのお値段は一匹500円もしませんが、安い養殖のフグを食べるぐらいなら、天然のマルハゲのほうが美味しいのではないかと個人的には思っています。

今回は定番の煮付けを作ることにしました。スーパーで売られているマルハゲは下ごしらえが済んでいるので、調理法はいたって簡単。

マルハゲ03

鍋にマルハゲを入れ、酒と醤油1:1、お好みで砂糖やスライスした生姜などを加え、身の半分ぐらいがかぶる量の水を入れたら、落し蓋をして中火で5分。

マルハゲ04

蓋を取って、煮汁をかけながら水気が少なくなるまで煮れば完成!

マルハゲ05

まな板も汚さず、調理時間は10分少々とお手軽なので、ゲストハウスのような自炊設備付きの宿や、アウトドアなどでも簡単に作ることができます。

煮付けにしたマルハゲの身はホクホクとして、身離れがいいので食べやすく、淡白なのでどんなお酒にでもよく合います。煮付けは砂糖を控えめにして、新鮮な素材本来の美味しさを味わいながら、甘口の日本酒なんかを合わせるのがオススメ。

夏が産卵期のマルハゲ、初夏は卵を抱えているので煮付けがオススメ

マルハゲの肝は、あん肝を小ぶりにして少しさっぱりとさせたような食感です。また、春〜初夏にかけてはメスが卵を持っていることがあるので、煮付けには最高のシーズンと言えるでしょう。

マルハゲ06

マルハゲは瀬戸内海沿岸の広い地域で食べられているそうなので、西日本や九州の瀬戸内側へお越しの際は、お酒のお供にぜひマルハゲを購入してみて下さい。

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