いろんなビールの奥深さを味わう「びあ充」

いろんなビールの奥深さを味わう「びあ充」

今回は、漫画「びあ充」からスタウト(ビール)を紹介します。

ビア充表紙

現実(リアル)の生活を充実させている人のことを、インターネット上で略して、「リア充」と表現することがあります。どちらかと言えばスラングに区分される表現で、そんな生活をしている人に対するねたみを含んだ面もあります。

タイトルの「びあ充」は、漫画に登場するサークル「みんなでビール呑んで目指せ楽しいリア充生活」を略したもの。

漫画は、引っ込み思案を直したいと考える大学生の乾あさひ(いぬい あさひ、表紙のポニーテールの女の子)ちゃんが、募集を見た酒店でアルバイトを申し込むところから始まります。

その酒店は、店長である木林麦(きりん むぎ、枝豆の真ん中の女性)さんのこだわりにより、ビール専門店「木林泡店」となっていました。そこからいろいろとビールの話題へと続き、人が集まり、サークルでわいわい……となっていきます。

こうした漫画におなじみのビールウンチクもあるのですけど、基本的には女の子プラスアルファ漫画ですね。

ただそれに徹し切れていなかったのか、当初は「まんがタイムジャンボ」(芳文社)で連載していたのが、打ち切りっぽく終了。どんな経緯があったのかは不明ですが、一迅社からコミックス発売となりました。コミックスにならない4コマ作品も少なくない中、刊行されただけでもうれしいです。

もちろん様々なビールが登場する中で、みんなが年末の飲み納めで飲んだのが、ホットスタウト(温めたスタウトに砂糖やクリームなどを入れたもの)でした。

そこでキリン「一番搾りスタウト」を紹介します。

スタウト1

スタウトとは、ローストした大麦を原料に作ったビールのことで、必然的に黒っぽくなるため「黒ビール」とも呼ばれています。色に沿うように、苦みやコクも強く、アルコール度数も高め。

小麦を使った白っぽいホワイトエール(ヴァイツェン)は苦味が弱いので、ホワイトエールの反対にあるのがスタウトと言えるかもしれません。

もっともシュヴァルツビール(シュヴァルツは「黒い」を意味するドイツ語)もあり、こっちも液色は黒いです。この辺りは、上面発酵と下面発酵の違いによるのですが、どっちでもおいしければ良いんじゃないかなと思います。

キリンの一番搾りは知っている人も多いでしょう。質の良いうまみが味わえる一番搾り麦汁を使う製法はそのままに、「一番搾りスタウト」では、原材料にカラメル麦芽とロースト麦芽を使っています。

さすがに時期が時期なのでホットスタウトは勘弁、手ごろに冷やしてグラスに注ぎます。パッと見て分かるように、真っ黒な液色です。

スタウト2

間違いなく苦みは強いのですが、風味やコクも強い分、一般的なビール(ピルスナー)とは、ちょっと違う味わいです。

漫画の最後で麦店長は、「日本のビールはこれまで宴会ドンチャン騒ぎの『とりあえずまずは一杯』に強制されるモノで そのせいで嫌いになってしまった人がいたり じっくり味わう酒じゃないと雑に飲まれていた感もあるが この機会に趣味性の高い奥深く楽しい酒だと知って欲しいのう」と言っています。

ここ5年くらいでしょうか。いろんな輸入ビールやクラフトビールが増えてきましたし、ビールカクテルの知名度も上がってきました。麦店長の願いは、ようやく叶いつつあるようです。

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びあ充

作者:イセケヌ
発行:一迅社
全1巻

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キリン「一番搾りスタウト」ページ

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