酒場の基礎知識【3】~酒の修行はBarでしよう!~

酒場の基礎知識【3】~酒の修行はBarでしよう!~

バーテンダー

出典元:sylvar

Bar発祥の地はアメリカらしい… その語源は?

最近は「Bar」と書いて『バル』と呼ばせる店が増えてきました。しかしバルの語源は「Bar」であり、これを『バー』と読むか『バア』と読むかで、世代がわかってしまいます。そんな「Bar」発祥の地はアメリカです。アメリカそのものが建国して250年足らずの新しい国で、酒場を「Bar」と呼ぶのも、長い人類の歴史の中では比較的新しいと言えるでしょう。

Barの語源は諸説諸々!どれが真説かなのかはわからない

「Bar」の語源には色々な説があります。有名なモノでも

・酒場に集まった酔っ払いどもが行儀が悪く、酒樽から勝手に酒を注いで飲もうとする不届き者が多かったので、ブチ切れた店主が巨大な横木(バー)を置いて、客が酒樽に近づけないようにした。これがカウンターになり、そんなカウンターで仕切られた酒場を「Bar」と呼ぶようになった(現在でもカウンターは和製英語で、英語圏では酒場のカウンターを「Bar」と呼ぶ)。

・交通手段が馬から自動車に変わった頃、物ぐさな酒場の店主が居て、それまで店の前に馬を繋いでおく横木(Bar)を片付けるのが面倒になって、カウンターの下に放置したら、訪れた客に「足を掛けるのにちょうどいい」と好評だったので、カウンターの足元にBarを置く店が増え、そうした店を「Bar」と呼ぶようになった(この頃…というか、今でも本場のBarはイスのない「スタンドバー」が多い)。

といった説があるわけですが、本当の語源はよくわかりません。ちなみに近頃流行の『バル』というのは、主にスペイン地方の酒場で「Bar」のスペイン語読みのことです(ネイティブな発音だと「バール」と言うらしい)。なぜアメリカより伝統と歴史のあるヨーロッパでアメリカ発のBarが浸透したかといえば、1930年代アメリカで施行された「禁酒法」のせいで、アメリカからバーテンダーをはじめとした、Barの業界関係者がヨーロッパに渡ってBarスタイルの酒場を流行らせたからです。

Barの特徴はショット販売

bar_ショット

出典元:subbu arumugam

そんなBarですが、日本ではその昔、ウィスキーを中心にした洋風居酒屋をすべてBar呼ばわりしていましたが、ここ20年くらいの間に、本来のアメリカンスタイルのBarがたくさん出来ており、そういう店は「ショットバー」などと呼ばれています。

店主や店員は、カウンターの中から酒を提供し、キャバクラみたいに客の隣に座ったりはしません。カウンターはBarの必須ですが、そこにイスがあるかどうかは店によって異なります。日本の場合、客が長居することを前提にした店では、イスがありますが、近年は客単価を安くして回転を早めるような立ち飲み形式のBarでは、イスを置いていない店も増えてきました。本来のアメリカンスタイルBarであれば、イスのない立ち飲み形式の方が一般的です。

そして、そんなBarの基本的なスタイルは、
“ショット売り”
だと言えるでしょう。

つまり、基本的にはどんなお酒でもショットグラス一杯から飲めるのがBarの特徴だと言えます(ただしビールやスパークリングワインなどは、ショット売り不可の店が多い)。もちろんお気に入りの酒をボトルキープしても構いませんが、ボトルキープすれば割安になるといった店はあまりありません。むしろ色んな酒をショットで頼んで楽しむのがBarのスタイルであり、酒の修行の場としては最適な酒場でしょう。

良いBarには良いバーテンダーがいる!

そんなわけで、一見敷居の高そうなBarこそが、酒の種類を覚えたりするのに最も適した酒場だったりします。それでは良いBarの探し方ですが、一番間違いがないのは知り合いの行きつけの店へ連れて行ってもらうことです。また最近はネットで色々な口コミ情報がとれますので、それを参考にするのもいいでしょう。

ただ良いBarであるか、そうでないかは、バーテンダーによって決まると言っても過言ではありません。一見さんに冷たかったり、飲み手に知識を求めたりするようなバーテンダーは論外です。訪れた客に分け隔てなく、細かい気配りが出来るバーテンダーのいる店を探しましょう。もっとも、バーテンダーも人間です。やはり客との相性もありますので、自分にとって居心地の良いBarが一番いいBarだともいえます。

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